Ros Blackburnの講演会☆



「Snowcake」という、自閉症の女性が主人公の映画、日本でも公開されたかな。
シガニー・ウィーバーとアラン・リックマンが主演、キャリー・アン・モスが助演・・という、かなり俳優陣だけでも興味をそそられること間違いなしですが。
映画本編の評価も、とてもいいようです。
私はまだ観ていませんが、近いうちに必ずDVDで・・・と思ってます。

この映画の役作りのために、シガニー・ウィーバーは、自閉症のイギリス人女性と交流し、長い時間を一緒に過ごしたそうです。このイギリス人女性は、重度の自閉症であるのにもかかわらず、言語能力が非常に高く、Social skillには欠けているが、言葉を使ってのコミュニケーション能力に長けているという特徴があります。
シガニー・ウィーバーの役作りに協力するきっかけになったのも、イギリス全国、そしていまや世界中にでかけて当事者としての自閉症を語る講演が非常に高い評価を受けているため。

彼女の名前は、Ros Blackburn。
ラッキーなことに、先日彼女の講演を聞くチャンスに恵まれました☆
私がTeaching Assistantのコースを受けている地元のカレッジで講演会があったのです♪

自閉症当事者の講演に参加したのは初めてだったので、とても楽しみにしていたのだけれど、インパクトはまさに想像以上でした!いや~素晴らしい2時間でした。


実は、彼女のインテリジェントでよどみのない話し方だけを見ると、絶対に高機能かアスペルガーだろうと思ってしまうのだけど。
ご自分でもおっしゃってましたが、ばりばりの重度自閉症だそうで。
(「自分のような自閉症とアスペルガーとは、全く正反対なんです」と言っていた)

42歳の今でも一番の楽しみ・こだわりはトランポリン、「アイス」(氷)で、アイススケートをこよなく愛し、スケート靴を抱いて寝るらしい。
今でもトイレットトレーニング完全に完了しておらず、、言語能力だけはずば抜けて秀でているけれど、重度のディスレキシアと自閉症のおかげでアカデミックな勉強は全くしていないため、何の資格もない。他の自閉症の人たちと同様にSocial skillに欠けているため、例えば切手を買いにコンビニなどに行くこともできず、ハンバーガーをカウンターで買うのに必要な最低限のやりとり(金銭のやり取りも含め)ができないために、一人での外出はできない。
更には、支援者は外出先では特に、常に彼女に目を配ってないといけない。
というのも、チャンスさえあれば、感じた刺激に忠実に、そこらじゅうよじ登ってしまうから。
そして、こだわりの強いトランポリンで興奮しすぎて、数年前にあごと鼻の骨を折り、歯も何本か折ってしまっているとのこと。

私もよく知っている、自閉っ子たちの世界に完全に生きるRos。
なのに。言葉を操る魔法を13歳で手に入れたRos。
13歳までは非言語であったため、両親はなんとか彼女に言葉を・・と色々努力したそう。
そして、13歳から後の30年は、なんとか彼女を黙らせようと躍起になっていた、なんて、聴衆を笑わせるジョークも交えながら、重度自閉症当事者としての、まさに自分の経験から伝えられることを、マシンガントークで話してくれました。


ものすごく印象に残った言葉ですが、

「Behaviour is not the issue of autism.」
周りと同じような行動・行いを求めたところで、それができないのが自閉症、であるのはわかっているけれど。
いわゆる社会的に認められる行動というものを、そもそも私たち自閉症の人間に求められても無理、だと。もしそれができたとしたら、それは「しつけ」が完全になされて、つまりは自閉症はなくなった!ということ・・そんなことは、起こりません、と。

例えば、サッカーのイングランド戦で、イングランドチームが得点した。競技場のファンたちは一気に興奮して叫び、、飛び跳ねる。その精神状態と全く同じことが、Rosにとって、「Disney on Ice」を見に行って、グーフィが登場するたびに起こる。そこで、彼女は興奮して叫び、飛び跳ねる。
周りの人は、「そんなことをしてはいけない」と言うが、なぜいけないのか。サッカーでは、皆しているのに、と。
要するに、これが「Behaviour」なわけで。その時、その状況にふさわしい、いわゆる「Behaviour」を、我々はピックアップするけれど、自閉症の人たちはこれがない。彼ら自身の基準の中で行動するのみ。

「We, autistic, don't need friends, thank you.」
・・そうなのか、そう言い切るか。
でも、ものすごいわかる気がする。
結局、一人遊びでかわいそう、人と関わる方法を学べばきっと・・なんて思うのは、非自閉症の側の勝手な思い込みか。
この”real world”で生きていくためには支援者が必要だけれども、Social skillがないためにいわゆるRelationship(友情、愛情すべて含む)というものに対する興味がないのだとか。

興味深いと思ったのが、「子供を欲しいと思ったこともないし、Relationshipに興味がないからセックスにも興味なし。」とRosが言ったこと。Reproduceという言葉を使っていたのも面白い。自分がReproduceする機会があったとしたら、それはレイプされた時だけだ、しかも、絶対にAbortionする、と言い切っていた・・。

『There is no social foundation in autism.」
例えば、子供が何かおもちゃを母親にねだった時。
だめ、と母親が言った後、子供は母親にどうしてだめなのか、聞く。
そして母親は、「高価だから」『危ないから」などと理由を言う。
これらが、Rosのいうところのbasic foundationで、子供たちは日常生活の中で周囲とのコミュニケーションを通じて自然に身につけていくもの。
しかし、自閉症では、これがない。
なので、それぞれの自閉症の人によって、それぞれ違ったエリアで全くbasic foundationがないために起こる不釣合いが常に問題(Challenge)となる。
トイレの水で遊ぶ、店から勝手にお菓子をとっていく、近寄って欲しくない人たちをいきなり殴る、など。


「You, ”ordinary people”, are obsessed with social. 
Social, social, social, everywhere.
But, your "social' doesn't make sense.
For us, autistic, ”social” equals ”rules”.」
いわゆる「普通の人々」は、ソーシャル・社会にこだわりすぎです。
どこに行っても、「社会的」であれと。
しかし、あなた達の言う「社会(的生活)」とは、意味を成さないのです。
私達自閉症当事者にとって、「社会的」とは、「規律・規則」であるのです。

「Autism thrives on rules - routine / predictability / cosistency / structure / stability / order.」
自閉症(の人々)は、規則・日課・予測可能な状況・矛盾のない一貫性のある状態・構造・安定感・順序の中で成長していくのです。

「We are more likely to be programmed by computer. I can only know what I am taught or told or shown. And like computer, we have delete key - if we don't like it, we just press the delete key.」
私達はプログラミングされたコンピューターと同じと言えます。何かを教えてもらったり、見せてもらったりして初めて、それを知るのです。そしてコンピューターのように、削除キーがあるのです。
もし何か気に入らないことがあったら、削除キーを押せばいいのです。

「People will learn by association with generalization. But autistic people have to be
taught repeatedly.」
例えば、ドアをどうして皆ドアだとわかってるのか?その形、その目的をどうやって学んだのか?
それは、小さい頃に幼稚園などで、先生に言われて後ろを振り返ると、手を振っている両親が見える。彼らはその四角い物体をくぐり抜けて、近づいてきてくれる・・・というような認識から。
しかし、自閉症は、後ろを振り返って両親を探す、ということ事態に興味がない。
いちいち教えてもらわないとわからない、ということ。



とにかく、まだまだいろいろあるのですが、さっとあげてみました。


自閉っ子の母親として、日常生活を共にしてきた中で自然にわかっていることだけど、それでもこうして論理的に説得されてみるとまた違った観点から見れる気がして。
非常~~に、刺激を受けた時間でした。




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by amelie_uk | 2011-06-29 07:17 | 日々のあれこれ